地下駐車場の中心で「助けて」と叫ぶ。

P2』 (2007/米) ★★★★☆
製作者の犯人への愛着があるのか、ショッキングよりもシチュエーション先行で面白い。いわば血生臭い逃避行か。理不尽な犯行を含めて作風は古典的だし、凡作と言わせない力強さがある。とにかく、真っ白なドレスが汚れると釘付けなわけで……(若干ネタバレreview)@銀座シネパトス

クリスマスイブの夜、残業して帰りの遅くなった主人公アンジェラが地下駐車場で地獄の恐怖を味わうというスリラーホラー。タイトルの「P2」とは地下2階駐車場という意味。低予算、そして設定に新鮮味がないながらも、その魅せ方が巧い。地下駐車場って確かに独特の雰囲気だ。これぞB級の醍醐味。製作陣には隠れた良作??らしい仏製スラッシャーホラー『ハイテンション』のアレクサンドル・アジャも絡んでいる。なるほど納得。

銀座シネパトスは銀座の映画館の顔のような存在。邦画、B級、アート系まで幅広くカバーしており、客層も様々。名物はもちろん地下鉄のガタンゴトンという騒音。そして振動。初めて足を運んだときは(もう5年くらい前かな)、「こんな映画館ありえない!!」と思った。が、回数を重ねるごとにこれがなければシネパトスじゃないと感じるようになった。不思議なもので。たまに、振動と映画のワンシーンがシンクロするときがある。まさに奇跡(笑)。