まとめて4本

『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』(2007/英=仏=独=米) ★★★☆☆

“映画版のビーン”としての完成度は高く、大人も子供も安心して楽しめる仕上がり。かつての栄光の単なる焼き回しではないだけ新作(新境地)を堪能できるのだ。ビーンが南仏を駆け回るロードムービーの巧さもある。…で、私はあの娘に惚れた。<ネタバレreview>@日比谷スカラ座

ビーン映画第2弾。第1作はテレビのファンが馴染めなかったせいか酷評ばかりだったが、言うならば汚名返上の出来栄えだと思う。これを観た後、ニコニコ動画でテレビ版をいくつか観て爆笑。

『ホテル・シュヴァリエ』(2007/米=仏) ★★★☆☆

笑わないシュワルツマンと女豹チックなポートマン。面白い意図の元で製作された(と思しき)短編。これ単体で評価したら高評価だけど、まぁ性質上仕方ないか。それでも少ない台詞の中に男女の感情の衝突がこれでもかと表現されていて官能的なんだな@恵比寿ガーデンシネマ

後述の『ダージリン急行』と併映された短編。これはこれでよくできているが、本編を観てしまうと改めて考えさせられてしまう。観ればわかります。たぶん。

ダージリン急行』(2007/米) ★★★★☆

おそらくNYが舞台でも、アンダーソンは同様に描く。しかし都会人には遠い遠い異国の地を舞台にして、兄弟が「やらねばならんこと」を徐々に噛み締めていく姿が実にエキゾチックで絵になる。たぶん曲にも詩にも小説にも絵本にもなるよ、この絆は。<ネタバレreview>@恵比寿ガーデンシネマ

何かとクセがあるウェス・アンダーソン監督作品。キャストもアンダーソン作品ではおなじみの面々が名を連ねるが、オーウェン・ウィルソンの包帯顔(?)が素敵。

ノーカントリー』(2007/米)★★★★☆

笑い話に多種多様の仮面を装着させる職人こそがコーエン兄弟だ。負の連鎖とハードボイルドの裏に隠された寓話的な素顔もある。主要人物三人、淡々と綴られていくシンプルで冷酷な物語だからこそ、強烈且つ、嘆き、笑える。心地よいため息。(review)@シャンテ・シネ

毎年、映画好きのくせしてアカデミー賞にはそれほど関心のない僕だが、これはやっぱりコーエン兄弟作品ということだけあって特別。(個人的には)最近良作がなかった兄弟の復活作品かな。